このページの要点
- 契約の終点(申請・結果通知・交付決定・実績報告・事業化状況の報告)を特定して書く。期間で区切る型と出来事で区切る型の併用も考える。
- 委任の形の契約はいつでも解除できるが、相手に不利な時期の解除は損害賠償が必要になりうる(民法651条)。締切の直前の制限と予告期間を書く。
- 解約時の報酬は、既にした履行の割合に応じて請求できる(民法648条3項)。工程表で割合の物差しを置き、着手金と実費の扱いも決める。
- 書面がなくても契約は成立する(民法522条2項)。確認書は実際の日付で作り、争いの初動では契約・履行・制度側の通知・お金の記録を時系列で整える。
結論:解約の可否より先に、「契約の終点」と「清算の物差し」を決める
補助金の申請支援の契約が揉める場面は、大きく三つに分かれます。途中で解約したい、報酬を払いたくない(あるいは払ってもらえない)、そもそも書面がないまま始めてしまった、の三つです。どの場面でも、争いの中心にあるのは「契約はどこまでが仕事で、どこまで進んだ時点でいくら払うのか」という問いです。解約できるかどうかは、法律が一定の答えを用意していますが、その後の清算は、契約書にどう書いてあるか、書いていなければ何を物差しにするかで決まります。
先に結論を並べます。第一に、補助金の申請支援には、終点が複数あります。申請まで、採択まで、交付決定まで、実績報告まで、額の確定まで、事業化の状況の報告まで。制度によって手続の長さが異なるので、契約書には終点を特定して書きます。第二に、委任(準委任)の形の契約は、各当事者がいつでも解除できるのが民法の原則です(民法651条1項)。ただし、相手に不利な時期の解除は、損害の賠償が必要になることがあります(同条2項)。第三に、解約した場合の報酬は、すでにした履行の割合に応じて請求できるのが原則です(民法648条3項)。割合の物差しは、書面で決めておくと争いが減ります。第四に、書面がないまま始めたときは、あとから確認書や覚書で決める方法があります(民法522条2項は、契約の成立に書面は原則として要らないとしています)。
このページは、解約と清算、書面がないとき、争いの初動、そしてよくある質問を扱います。報酬の型の選び方は報酬の決め方のページで、不採択のときの精算は不採択だったときの契約のページで、成功報酬の発生時点は成功報酬の発生時点のページで扱っています。ここでは、それらを前提に、契約が途中で終わる場面と、すでに揉めている場面の整理に絞ります。
契約の終点:申請まで、交付決定まで、実績報告まで
契約の終点が書かれていない支援契約は、いつまで続くのか分かりません。申請者は「採択後の報告も含まれる」と思い、支援者は「申請を出した時点で終わり」と考える。典型的な食い違いです。補助金の手続は、制度ごとに長さが違います。次の時間軸のうち、どこまでを契約の範囲とするのかを、条文にします。
契約の終点の候補(一般的な流れ)
- 申請の提出申請書類を整え、提出する契約で決める「提出をもって業務を完了する」と書くか。補正対応は含めるか
- 審査結果の通知採択または不採択の結果が通知される契約で決める結果の通知の確認までを業務に含めるか。不採択時の扱いは別に定める
- 交付の決定交付の決定と条件が通知される契約で決める決定の通知書の確認と、条件の説明までを含めるか
- 実績報告・額の確定事業の完了後に報告し、額が確定する契約で決める実績報告の作成の補助を含めるか。含めない場合は範囲外と明記する
- 事業化状況の報告など交付後に求められる報告が続く制度がある契約で決める何年間のどの報告まで支援するか。期間の上限を書く
実際の手続の段階と名称は、制度の公募要領・交付要綱で確認が必要です。契約書では、終点を一つの出来事に特定して書きます。
終点の書き方には、期間で区切る型(契約の日から一定の期間)、出来事で区切る型(交付の決定の通知を受けた日)、その併用があります。期間で区切る契約では、制度の手続が遅れたときに、期間が先に満了してしまう問題があります。出来事で区切る契約では、出来事がいつまでも起きない場合に、契約が終わらない問題があります。併用して「いずれか早いほう」とするか、延長の手続を書くのが、実務で現れる整理です。
任意解約:委任の「いつでも解除できる」と、不利な時期の賠償
支援契約を委任(準委任)の形で組み立てている場合、民法の規定では、各当事者がいつでも解除することができます(民法651条1項)。解除は将来に向かってのみ効力を生じます(652条が準用する620条)。つまり、解除の前にすでにした履行の効果は、遡って消えません。ただし、解除をした者は、相手に不利な時期に解除したとき、あるいは、委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く)をも目的とする委任を解除したときには、やむを得ない事由がない限り、相手方の損害を賠償しなければなりません(651条2項)。
補助金の申請支援でいう「不利な時期」の典型は、締切の直前です。申請者が締切の直前に支援者を解任し、支援者が準備した書類が無駄になる場合や、支援者が締切の直前に降りて、申請者が他の支援者を探す余裕がなくなる場合です。契約書で、解約の予告期間(一定の日数前までの書面による通知)を設ける、締切から逆算した期間内の解約に制限をかける、といった定めを置くのは、この「不利な時期」の争いを避けるためです。
書き方の例(一般的な例) 任意解約の書き方
解約の自由
理由予告期間と、締切の直前の制限を書く。
解約の効果
理由履行の割合の物差しを別紙に置き、清算の基準を明確にする。
一方的な解約
理由一方だけに解約権を認めず、引継ぎの義務を添える。
債務不履行による解除と、締切の直前の扱い
相手に義務の不履行があるときは、解除の別の道があります。当事者の一方が債務を履行しない場合に、相手方が相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、契約を解除できます(民法541条)。ただし、不履行が軽微であるときは解除できません。また、履行が不能である場合や、債務者が履行を拒絶する意思を明確に示した場合、特定の日時までに履行しなければ契約の目的を達することができない場合に、その時期を経過したときなどは、催告なしに直ちに解除できます(同法542条1項)。補助金の申請は締切が決まっているので、締切を過ぎると目的を達成できなくなる場合があります。そのときは、催告をせずに解除できる場面になりえます。
債務不履行を理由に損害賠償を求めるには、債務者の責めに帰することができない事由でないことが前提です(民法415条1項)。申請の準備が遅れた原因が、申請者の資料の提出の遅れにあるのか、支援者の作業の遅れにあるのかは、記録で確かめることになります。この記録が残るように、契約書の側に「資料の依頼と提出の履歴を残す」「作業の進捗を定期的に報告する」といった条項を置いておくのは、解除や賠償の場面で効いてきます(受任者による報告は民法645条にも規定があります)。
請負の形で組み立てている契約(計画書の完成を約束する形)では、少し違います。注文者は、請負人が仕事を完成しない間は、損害を賠償して契約を解除することができます(民法641条)。また、請負が仕事の完成前に解除されたときや、注文者の責めに帰することができない事由で仕事を完成できなくなったときは、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を完成とみなし、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求できます(同法634条)。成果に対して報酬を支払う約束をした委任についても、この634条が準用されます(同法648条の2第2項)。
解約したら、どう清算するか:履行の割合、着手金、実費
清算の原則は、民法に用意されています。受任者は、委任者の責めに帰することができない事由で履行できなくなったとき、または委任が履行の中途で終了したときは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求できます(民法648条3項)。ここでいう「割合」を、作業の量、完成した書類の段階、申請者が得た利益のどれで測るかは、条文には書かれていません。補助金の申請支援では、結果(採択)が出ないと成果が見えにくいため、この割合の判断が最も争いになりやすい点です。
解約の時点別に見る、清算の考え方(一般的な整理)
| 解約の時点 | 考え方の例 | 契約で決めておくこと |
|---|---|---|
| 業務の開始前 | 着手金を返還するか、事務手数料を差し引くかを決める | 着手金の性質(返還する・充当する)、返還の期限 |
| 書類の作成の途中 | 作成済みの書類の割合に応じて報酬を支払う | 工程表の段階ごとの割合、作成済みの資料の引渡し |
| 申請の提出後、結果の通知前 | 提出までの作業は完了した扱いにするかを決める | 提出をもって履行が完了するか、結果に連動する報酬の扱い |
| 採択または交付の決定後 | 成功報酬の発生の有無と、解約の影響を決める | 報酬の発生時点の定義、辞退・取下げの場合の扱い |
| 実績報告の段階 | 残りの手続を引き継ぐ義務と、報酬の精算を決める | 引継ぎの内容、未払の報酬の支払時期 |
実費については、受任者が委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用と支出の日以後の利息の償還を請求できます(民法650条1項)。また、費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければなりません(同法649条)。契約書では、実費の範囲(交通費、書類の取得費用など)、事前の承認の要否、請求の時期を決めておきます。解約の場面では、支出済みの実費の精算も忘れずに書きます。
報酬の後払いの原則と、期間で定める報酬の扱いにも注意が必要です。受任者は、特約がなければ報酬を請求できず(民法648条1項)、報酬を受けるべき場合でも、委任事務を履行した後でなければ請求できません(同条2項)。期間によって報酬を定めた場合(月額型など)は、期間を経過した後に請求できるとされています(同項ただし書、624条2項の準用)。月額型の契約では、解約の月の報酬を日割りにするのか、満額とするのかを、書いておくと争いが減ります。
書面がないまま始めたとき:確認書・覚書であとから決める
契約書を作らないまま支援が始まる取引は、実際には少なくありません。メールやメッセージのやりとりだけで「お願いします」「承知しました」と進めた場合でも、契約は成立しています。契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しないからです(民法522条2項)。問題は、成立した契約の内容が、あとから分からないことです。報酬の額、業務の範囲、不採択のときの扱い、解約の条件が決まっていないか、決まっていても記録が散らばっています。
書面がないまま進んだ取引を整えるには、確認書や覚書で、あとから内容を確認する方法があります。作り方の要点は三つです。第一に、すでに合意していることを、事実の確認として書きます。「合意した内容」と「これから決める内容」を分けて書き、後者は、双方が署名または記録に残る方法で承諾します。第二に、書面の日付は、実際に作成した日にします。過去の日付に遡らせて書くことは、あとから争いになったときに、書面全体の信用を損ねます。第三に、過去の取引の内容が不明なときは、「確認できる範囲の資料」(メール、メッセージ、請求書、振込の記録)を別紙として添付します。
第○条確認書(後から結ぶ場合)
- 甲および乙は、令和○年○月○日ころから、乙が甲の補助金の申請を支援する業務(以下「本業務」という。)を行っていることを、相互に確認する。
- 甲および乙は、本業務の範囲、報酬、支払の時期および方法が、別紙のとおりであることを確認する。別紙に記載のない事項は、甲乙が誠実に協議して定める。
- 甲および乙は、本確認書の日付より前に生じた事項について、本確認書に記載のあるものを除き、相手方に対して請求しないことを確認する。(※請求しない範囲は、取引の実態に合わせて限定する。)
一般的な条文の骨組みの例です。確認書は、実際に作成した日付で作ります。報酬の合意が過去にあったかどうかが不明なときは、「確認」ではなく「新たな合意」として書くほうが、正確な場合があります。
報酬をめぐる争いの初動:記録、通知書の写し、報酬明細への異議
報酬をめぐる争いは、感情的になりやすく、やりとりがその場の言葉の応酬になりがちです。最初にすべきことは、事実を静かに確認し、記録を整えることです。次の資料を集めて、時系列に並べます。
- 契約の資料:契約書、確認書、見積書、請求書、発注のメッセージ。口頭で決めた内容は、メールなどで確認した記録。
- 履行の記録:作成した書類の版、打ち合わせの記録、資料の依頼と提出の履歴、支援者からの報告。
- 制度側の通知:採択・不採択の通知、交付決定の通知書、額の確定の通知、事務局とのやりとり。成功報酬が通知を条件にしている場合は、特に重要。
- お金の記録:支払済みの着手金・報酬・実費の振込の記録、未払の請求書の日付。
契約書に「報酬明細に対する異議は、受領から一定の期間内に書面で申し出る」といった条項がある場合は、その期間を確認します。期間を過ぎると、明細が確定したものとして扱われるおそれがあります。異議を申し出るときは、どの項目が、なぜ誤りだと考えるのかを具体的に書き、裏付ける資料を添えます。口頭の抗議だけでは、期間内に申し出たことの証拠が残りません。
請求する側も、請求の根拠を整理します。報酬の発生条件(採択、交付決定、額の確定、入金のいずれか)が満たされたことを、通知書の写しで示します。なお、債権は、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効によって消滅するのが原則です(民法166条1項)。時間が経つほど、証拠は散逸し、記憶は薄れます。気づいた時点で、整理を始めることが大切です。
確認の問い争いが生じたときに確かめる問い
契約の根拠は何か(契約書か、メールか、口頭か)
根拠が曖昧なら、確認書で内容を整えることを検討する。
報酬の発生条件は何か、満たされたかを何の資料で示せるか
発生条件と資料が一致すれば、争いの範囲は小さくなる。
解約の通知はいつ、どの方法で行われたか
通知の日付によって、予告期間や不利な時期の問題が決まる。
履行した割合を、どの物差しで測るか(工程表、成果物、作業時間)
物差しが書かれていなければ、双方の主張の接点を探る必要がある。
報酬明細に異議を申し出る期間内か
期間を過ぎる前に、書面で具体的に申し出る。
争いの中で意外に重要になるのが、通知の方法と記録です。解約の通知は、相手に届いて初めて意味を持ちます。契約書に、通知の方法(書面、電子メール、チャット)と宛先、到達とみなす時点を書いておくと、「いつ解約したか」「いつ異議を述べたか」の争いを避けられます。連絡先の変更の通知義務も、あわせて書いておきます。また、やりとりの手段が複数にまたがる取引(電話、チャット、メール)では、重要な合意や指示を、文字で残すこと、口頭で決めたことは当日中に文面で確認することを、運用のルールにしておくと、あとから契約の内容を確かめる手間が大きく減ります。
最後に、争いが生じてからの関係の整え方にも触れておきます。支援者が申請の途中で関係が悪化した場合、申請者の締切は待ってくれません。作成済みの資料の引渡しと、引継ぎに必要な情報の提供は、報酬の争いとは切り離して先に進めるほうが、双方の損害を小さくできます。契約書に「契約が終了した場合でも、乙は、甲の申請の締切までに必要な範囲で、作成済みの資料を引き渡す」「引渡しは、報酬の精算の完了を条件としない(または、未払の報酬の担保として一部を留保できる)」と書いておくのは、この意味で有効です。どちらを選ぶかは、報酬の額、未払のリスク、締切までの日数で決めます。
起きがちなこと
解約・清算・書面なしの場面別の食い違い
締切の直前に解約され、準備が無駄になる
申請者が締切の数日前に支援者を解任し、別の支援者に依頼する。支援者は作成済みの書類の対価を求める。
手当て予告期間と、締切の直前の解約の制限を書く。作成済みの資料の引渡しと、履行の割合に応じた報酬を決める。
契約の終点が違い、「まだ終わっていない」と言われる
交付決定で業務が終わったと考える支援者に、申請者が実績報告の作成を求める。
手当て契約の終点を、出来事または期間で特定する。範囲外の業務は、別の契約で定める旨を書く。
書面がなく、報酬の額で食い違う
メッセージで「お願いします」と進めたが、報酬の額と発生の条件が記録に残っていない。
手当て確認書で、確認できる範囲の資料を添えて内容を整える。実際に作成した日付で作る。
報酬明細への異議の期間を過ぎてしまう
請求書を受け取ったまま放置し、後から誤りに気づくが、異議の期間を過ぎている。
手当て受領後すぐに内容を確認し、期間内に書面で具体的に申し出る。
成功報酬の分割払の途中で、解約が出る
成功報酬を分割で受け取る契約で、途中で関係が悪化し、残りの分割払をどうするかで揉める。
手当て分割払の途中で契約が終了したときの残額の扱い(支払う・免除する)を、あらかじめ書く。
解約や争いの場面は、契約書の文言と記録がそのまま判断材料になります。条文は一般的な枠組みを示すにとどまり、個別の事情に当てはめる際には、契約の内容と事実関係の確認が必要です。
解約・清算・書面なしの対応の点検
- 契約の終点が、出来事または期間で特定されている
- 解約の予告期間と、締切の直前の制限が書かれている
- 解約時の清算の物差し(履行の割合)が、別紙の工程表などで示されている
- 着手金の性質(返還する・充当する)と、実費の精算の方法が書かれている
- 書面がないまま始めた取引は、確認書で内容を整え、実際に作成した日付を記している
- 報酬明細への異議の期間を確認し、期間内に書面で申し出る体制がある
- 契約・履行・制度側の通知・お金の記録が、時系列で整理されている
よくあるご質問
採択された後に契約書を作ってもよいですか?
契約は書面がなくても成立するため(民法522条2項)、採択後に書面を作ること自体は可能です。ただし、すでに合意した内容と、これから決める内容を分けて書き、実際に作成した日付で作る必要があります。報酬の発生条件や、結果に連動する報酬が絡むときは、後から決めると争いになりやすいため、できるだけ早い段階で確認書を整えます。
複数の支援者に同時に依頼してもよいですか?
契約上、禁止されていなければ可能ですが、実務上は注意が必要です。同じ申請に複数の支援者が関わると、書類の内容が食い違い、報酬の発生条件(成功報酬)が重複する問題や、資料の共有に伴う秘密保持の問題が生じます。依頼する場合は、それぞれの契約で業務の範囲と報酬の発生条件を分け、資料の共有の範囲を決めておきます。
支援者が代わりに申請書を提出してもよいですか?
申請書類の作成にあたる行為は、報酬を得て業として行うと、行政書士法19条1項の制限の対象になりえます。提出手続の代理は、同項が引く1条の3ではなく1条の4に置かれた業務ですが、提出の前提として支援者が書類を作成していれば、作成の問題が別に残ります。線引きは法令上の線引きのページで整理しています。契約書では、作成、提出、助言の別を行為ごとに書き分けます。電子申請のIDやパスワードの預かりは、制度の規約・要綱で確認が必要な点です。
成功報酬を分割払にする契約は、有効ですか?
分割払の定め自体は、契約の自由の範囲として有効に定められます。ただし、分割払の途中で契約が終了したときの残額、分割払の期間中の返還や減額の扱いは、書いておかないと争いになります。報酬の発生条件と、分割払の各回の支払条件を、別々に定めておきます。
契約を途中で解約したいのですが、すでに支払った着手金は戻りますか?
契約書の定めによります。着手金が返還されない性質のものと書かれていれば、原則としてその定めに従います。定めがなければ、既にした履行の割合に応じた報酬を差し引いた残額を、どう扱うかの整理になります(民法648条3項)。着手金の性質(返還する・充当する・返還しない)は、契約の段階で書いておく項目です。
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