このページの要点
- 申請の主体は補助事業者である申請者。支援者は事務を任された受託者で、審査をする事務局や所管庁は契約の外にいる。
- 契約の型は、事務の処理を約束する準委任(民法656条)が基本。成功報酬を付けても請負になるとは限らず、成果の定義が要る。
- 補助金・助成金・融資・認定は別物。対象制度を名称・公募回・事務局で特定し、雇用関係の助成金などは対象外と書く。
- 契約書は、範囲、報酬、不採択、返還、非保証、守秘、解約の順に書くと抜けが出にくい。個別の制度の要件は扱わない。
結論:契約書の前に、3者の関係と契約の型を決め、7つの条項を順番に書く
補助金や助成金の申請を外部の事業者や個人に手伝ってもらうとき、「何から書面にすればよいか分からない」という状態で話が始まることが少なくありません。見積書の金額と大まかな作業内容だけで着手し、採択の結果が出たあとに、報酬の発生時点や不採択の扱いをめぐって食い違う。このページは、そうした食い違いを避けるために、契約書の全体像を一枚の地図として示します。
先に結論を述べます。申請支援の契約書づくりで最初に決めるのは三つです。一つ目は、誰と誰が当事者で、誰が契約の外にいるのかという3者の関係。二つ目は、支援を事務の処理(委任・準委任)として約束するのか、仕事の完成(請負)として約束するのかという契約の型。三つ目は、どの制度を対象にした契約なのかという対象の特定です。この三つが決まれば、あとは「業務の範囲、報酬、不採択、返還、非保証、守秘、解約」の7つの条項を、この順番で書いていけば抜けが出にくくなります。
- 申請の主体は、補助金の交付を受ける側の事業者(申請者)です。支援者は、その申請者から事務を任された受託者にとどまり、審査をする事務局や所管庁は契約の外にいます。
- 契約の型は、実務では「結果を保証せず、事務を遂行する」準委任型で組み立てるのが通常です。成功報酬を付けても、仕事の完成を約束する請負にはならない書き方があります。
- 「補助金」「助成金」「融資」「認定」は、言葉が似ていても、お金の流れも責任も違います。契約書では、対象とする制度を名称・公募回・種類で特定し、対象外のものは対象外と書きます。
- 7つの条項の順番は、範囲、報酬、不採択、返還、非保証、守秘、解約です。各条項は、このガイドの別のページで条文例と対比を使って掘り下げています。
- このガイドは契約の書き方に絞っています。個別の制度の要件、申請の手順、採択されやすい書き方は扱いません。それらは制度ごとの公募要領や交付要綱で確認する事柄です。
以下、3者関係、契約の型、言葉の整理、時間軸、7条項、周辺の契約との区別の順に説明します。最後に、起きがちなことと点検リストを置きました。
3者関係を整理する:申請者・支援者・事務局(所管庁)
申請支援の契約は、見かけは二者の契約ですが、実際には三者が登場します。契約書の条文を考える前に、この3者がそれぞれ何をする立場なのかを確認しておきます。
3者関係の整理
申請者(補助事業者)
委託者・申請の主体
- 補助事業の内容と数字を最終的に決める
- 資料を準備し、内容の正しさに責任を負う
- 交付後の報告や条件の遵守を行う
支援者
受託者・契約の相手方
- 合意した範囲の事務を、善良な管理者の注意をもって処理する
- 申請者の判断材料を整える
- 契約で決めた報告を行う
事務局・所管庁
契約の外
- 公募・審査・交付の決定を行う
- 支援者とは契約関係にない
- 結果の理由は必ずしも示されない
制度によっては、国が直接交付する場合と、執行団体や事務局を通じて交付される場合があります。どちらの仕組みかは、公募要領や交付要綱で確認します。
国の補助金については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(以下「補助金適正化法」)が基本的な事項を定めています。同法2条1項は、補助金等を「国が国以外の者に対して交付する」補助金や負担金などと定義し、同条3項は、補助金等の交付の対象となる事務または事業(補助事業等)を行う者を「補助事業者等」と呼びます。同法3条2項は、補助事業者等が、補助金等が税金その他の貴重な財源でまかなわれることに留意し、法令の定めと交付の目的に従って誠実に補助事業等を行うよう努めなければならないと定めています。さらに11条1項は、補助事業者等が、法令の定め、交付決定の内容と条件に従い、善良な管理者の注意をもって補助事業等を行わなければならず、補助金等を他の用途に使ってはならないと定めます。
ここから読み取れるのは、補助金をめぐる法律上の義務と責任の中心は、補助事業者本人にあるということです。支援者は、この義務を代わりに引き受ける立場ではありません。契約書に「申請に関する一切の責任は支援者が負う」といった書き方をしてしまうと、法律上の枠組みと契約の中身が噛み合わなくなります。反対に、支援者の側から見れば、申請者の義務を肩代わりしない書き方を明示しておくことが、後の紛争を避ける土台になります。
なお、地方公共団体が交付する補助金は、国の補助金適正化法がそのまま当てはまるのではなく、各団体の補助金交付規則や要綱が定めるのが通常です。国の補助金を財源として地方公共団体や団体を通じて交付される場合もあり、その場合の扱いは制度ごとに違います。契約書を作る段階では、「国の制度か、自治体の制度か、事務局を通すか」を確認し、根拠となる規則や要綱の名称を契約書の別紙に書いておくと、後で参照する先がはっきりします。
契約の型を選ぶ:委任・準委任か、請負か
申請支援を依頼する側も受ける側も、「依頼する」「請け負う」という言葉を、あまり区別せずに使いがちです。しかし民法では、仕事の約束の仕方によって契約の型が分かれ、報酬の請求の仕方、解除の自由、成果が出なかったときの扱いが変わります。
申請支援でよく問題になる契約の型
| 契約の型 | 約束の中身 | 報酬の考え方 | 申請支援での使いどころ |
|---|---|---|---|
| 委任(民法643条) | 法律行為を委託し、相手方が承諾する | 特約がなければ報酬を請求できない(648条1項)。履行後の請求が原則(同条2項) | 申請者に代わって法律行為をする場面。申請支援では限られる |
| 準委任(民法656条) | 法律行為でない事務を委託する | 委任の規定が準用される。事務の処理に対して報酬を払う | 申請支援の中心。ヒアリング、構成案、資料の整理、報告などの事務 |
| 成果報酬型の委任(民法648条の2) | 委任事務の履行で得られる成果に報酬を払う約束 | 成果の引渡しを要するときは、引渡しと同時に支払う(同条1項) | 成功報酬を付ける設計。成果の定義が決まっていないと争いやすい |
| 請負(民法632条) | 仕事の完成を約束し、結果に報酬を払う | 完成と引渡しが基本。完成しなければ報酬は原則として請求できない | 成果物の完成を約束する形(たとえば書類一式の納品)。採択まで約束するものではない |
民法643条は、委任を「法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる」契約と定めます。同法656条は、委任の規定を「法律行為でない事務の委託」に準用すると定めています。申請書類の整理、ヒアリング、構成の助言、進行管理といった事務は、通常は法律行為ではないため、準委任として整理されます。受託者が負う注意義務は、644条により、委任の本旨に従った善良な管理者の注意です。
ここで重要なのは、準委任型では、結果の保証は契約の内容にならないという点です。善良な管理者の注意をもって事務を処理していれば、採択されなかったことだけを理由に債務不履行を問われることは通常ありません。他方で、受託者が処理の状況や結果を報告する義務は、645条が定めています。申請者の側から見れば、「結果は保証されないが、経過と結果の報告は受けられる」という関係になります。
請負として組み立てると、約束するのは「仕事の完成」です。申請書類一式の納品を請負として約束することは可能ですが、その場合でも、約束できるのは書類の完成までで、審査の結果ではありません。完成の基準(どの状態を完成とみなすのか)、検収の方法、修正の回数を定めておかないと、「書類は納めたが、満足できない」という争いが生じます。実務では、事務の遂行は準委任、特定の成果物の納品は請負の性質を含む、という混合の契約になることも多く、そのときは条文ごとに、どの性質を前提にしているのかが読み取れるようにしておくと安全です。
成功報酬については、648条の2が手がかりになります。委任事務の履行で得られる「成果」に報酬を払う約束をした場合、成果の引渡しを要するときは、引渡しと同時に払うのが原則です。ただし申請支援における成功報酬の「成果」は、書類の引渡しではなく、採択や交付決定といった行政側の判断であることが多く、民法の文言だけでは、いつ請求できるのかが決まりません。だからこそ、契約書で発生の時点を定義する必要があります。この点は、成功報酬はいつ発生するかのページで詳しく扱っています。
言葉をそろえる:補助金・助成金・融資・認定と、対象制度の特定
日常の会話では、「補助金」「助成金」「給付金」「支援金」を同じように使いますが、契約書では、言葉の揺れが範囲の揺れになります。たとえば、契約書に「公的支援の獲得に関する業務」とだけ書くと、補助金だけでなく、融資の紹介や認定の取得まで含むのかどうかが読み手によって変わります。
混同しやすい言葉の整理(一般的な整理)
| 言葉 | 一般的な意味 | 契約書で気をつけること |
|---|---|---|
| 補助金 | 事業の経費の一部を、国や自治体などが支給するもの。公募・審査・交付決定を経るのが通常 | 制度名、公募回、事務局を特定する。後払いのものが多い |
| 助成金 | 呼び方は制度ごとに異なり、法律上の定義が一つに決まっているわけではない。公募型もあれば、要件を満たせば受けられる型もある | 名称だけで性質を決めつけず、根拠となる要綱で確認する。雇用や社会保険の手続を伴うものは、このガイドの対象外とする |
| 融資 | 返済を前提にお金を借りるもの。補助金と違い、返す義務がある | 申請支援の契約に混ぜない。混ぜるなら別の条項・別の報酬として分ける |
| 認定・認証 | 一定の要件を満たすことを公的に認めるもの。給付を伴わないものも多い | 認定の取得が報酬の条件になるのか、補助金の加点として意味を持つだけなのかを書く |
特に注意が必要なのは、助成金のうち、雇用保険や労働、社会保険の法令に基づく手続を伴うものです。こうした手続の申請書の作成や提出の代行は、社会保険労務士法で業務が制限されている場合があります(詳しくは法令上の線引きのページで説明します)。このガイドは、そうした雇用関係の助成金を対象にしておらず、契約書でも、対象制度から外す書き方を勧めています。
書き方の例(一般的な例) 対象制度の特定
対象の書き方
理由「活用できる」とだけ書くと、どの制度までが範囲かが読み手ごとに変わる。対象を名称・公募回・事務局で特定し、除外するものも書く。
追加の制度
理由口頭の流れで対象が増えると、増えた分の報酬と責任が曖昧になる。追加の手続を書面で固定する。
補助金の時間軸の上に、契約で決めることを並べる
申請支援の契約が難しいのは、補助金の手続が長い時間軸の上に並んでいて、お金や責任が動く時点が複数あるからです。契約書を書く前に、時間軸の上で「何が起きて、契約で何を決める必要があるのか」を整理しておくと、条項の抜けが見つかります。次の時間軸は一般的な流れで、制度によって順序や名称、有無が異なります。
補助金の一般的な流れと、契約で決めること
- 公募・準備制度が公表され、応募の可否や自社の事業との適合を確認する。契約で決める対象制度の特定、業務の範囲、着手の時期、資料の提出期限
- 申請申請書類を作成し、決められた方法(電子申請を含む)で提出する。契約で決める誰が書き、誰が入力・提出するか。申請者の最終確認の方法
- 審査・採択事務局や所管庁が審査し、採択か不採択かが通知される。契約で決める採択を保証しない旨、不採択のときの報酬と再申請の扱い
- 交付の決定採択された事業について、交付する額や条件が決まる。契約で決める成功報酬の発生時点、決定額の定義、辞退や減額のときの扱い
- 補助事業の実施・実績報告事業を実施し、経費の支払の証拠を整えて報告する。契約で決める交付後の手続を契約に含めるか、含める場合の報酬と役割
- 額の確定・入金報告をもとに最終的な額が確定し、後払いで支払われることが多い。契約で決める報酬の支払時期、入金口座、立替、成功報酬の確定の方法
- その後の報告・検査一定期間、状況の報告や検査を受ける場合がある。契約で決める契約の終了時点、返還や取消しが起きたときの責任の分け方
「採択」「交付決定」「額の確定」「入金」は、それぞれ別の時点です。契約書でどの時点を基準にするのかを書かないと、報酬や責任の発生がずれます。
この時間軸のうち、多くの契約が書いているのは「公募から申請まで」だけです。ところが、トラブルの多くは、その後の時点で起きます。採択のあとで辞退したとき、交付決定の額が想定より低かったとき、入金が遅れたとき、報告の不備が指摘されたとき。契約書がその時点まで想定していないと、「そのときに考えよう」という話になり、話し合いが難しくなります。逆に、時点ごとに「誰が何をするか」「お金はどうなるか」を書いておけば、少なくとも争点が明確になります。
先に決める7つの条項:順番と、それぞれの役割
契約書に入れる条項の数は、案件によって増減します。ただ、申請支援の契約で抜けると後で困りやすいものを、書く順番に並べると、次の7つになります。この順番には意味があります。前の条項で決めたことを、後の条項が前提にするからです。
契約書に入れる7つの条項
| 順番 | 条項 | 決めること | 詳しく扱うページ |
|---|---|---|---|
| 1 | 業務の範囲 | 行為ごとに誰が行うか、成果物、範囲外、追加の手続 | 業務範囲の書き方 |
| 2 | 報酬 | 報酬の型、金額(消費税を含むかどうか)、請求時期、支払期日 | 報酬の決め方 |
| 3 | 不採択・中止 | 不採択、公募の中止、制度の変更のときの精算と再申請 | 不採択だったときの契約 |
| 4 | 返還・取消し | 交付後の取消し、返還、不正受給が問題になったときの責任 | 返還・取消しと支援者の責任 |
| 5 | 非保証と責任 | 採択を保証しない旨、賠償の範囲と上限 | 非保証と責任の上限 |
| 6 | 守秘・預かり資料 | 預かる資料、守秘の期間、返却と廃棄、個人情報 | 預かる資料と守秘 |
| 7 | 解約・精算 | 任意解約、解除、途中終了のときの報酬の精算 | 解約とトラブル |
なぜ範囲が先なのか。報酬も責任も、「何を約束したのか」が決まらなければ書けないからです。範囲の次に報酬を置くのは、報酬が「範囲のうちどこまでの対価か」と結びつくためです。不採択と返還を続けて置くのは、いずれも「結果が思いどおりにならなかったときの条項」だからで、そこで非保証と責任の上限を受けます。守秘は性質が違うので、後ろに置いて独立させ、最後に、契約を終えるときの手続としての解約と精算を置きます。
第○条目的および対象
- 甲は乙に対し、甲が別紙1に定める制度(以下「対象制度」という。)に申請するために必要な事務の支援(以下「本業務」という。)を委託し、乙はこれを受託する。
- 本業務は、法律行為でない事務の委託であり、乙は、善良な管理者の注意をもって本業務を処理する。
- 乙は、対象制度の採択、交付の決定、交付額その他の審査結果を保証しない。
- 対象制度以外の制度の支援は、甲乙が第○条の手続により書面で合意した場合に限り、本業務に含まれる。
ここでは「事務の委託であること」「保証しないこと」「対象を限ること」を最初の条項にまとめています。個別の条項の書き方は、各ページで説明します。
周辺の契約との区別:紹介契約・外注・預かりの覚書
申請支援の周りには、似て非なる契約がいくつかあります。申請支援の契約書と取り違えたまま使うと、書いた内容が実態とずれてしまいます。ここでは、混同しやすい三つを区別しておきます。
一つ目は紹介の契約です。補助金の申請そのものは行わず、支援を行う別の専門家や事業者を相手方に紹介するだけの形です。紹介者は申請の内容に関与しないことが前提で、報酬も紹介の対価として設計されます。紹介のつもりで書いた契約でも、実際には書類づくりを手伝っていれば、実態は申請支援です。契約書に「紹介にとどまる」と書いても、実態がそうでなければ書いたとおりには扱われないことがあります。
二つ目は外注(再委託)の契約です。申請支援を受けた事業者が、その一部を外部の専門家やフリーランスに任せる形です。この場合は、申請者と支援者の契約と、支援者と外注先の契約の二層になります。申請者との契約で再委託を許可しているのか、外注先にも守秘義務を負わせているのかなど、層をまたぐ約束の食い違いが問題になります。この点は事業計画書の著作権と再委託のページで扱っています。
三つ目は預かり資料や預かり金の覚書です。決算書や従業員の情報、通帳や印鑑、電子申請のIDなどを預かる場合、その預かりの条件を別に定めるべきか、支援契約の中に入れるべきかを決める必要があります。資料の預かりは預かる資料と守秘のページ、申請者の責任と電子申請のIDの扱いは申請者本人の責任のページで説明します。
確認の問い契約を結ぶ前に、双方が確かめておく問い
この契約の対象は、どの制度の、いつの公募か。
対象が決まらなければ、範囲も報酬も決まらない。
書類の文章を実際に書くのは誰か。入力と提出は誰か。
法令上の線引きにも、責任の分け方にも直結する。
報酬は、いつ、どの事実を理由に発生するのか。
採択、交付決定、額の確定、入金のどれかで、請求できる時期が変わる。
結果が出なかったとき、返したり払ったりするお金は何か。
着手金、実費、報酬の扱いを先に決めると、不採択の後の話し合いが短くなる。
預ける資料は何か。外部のツールや人に渡してよいか。
守秘と個人情報の取扱いは、契約の外で決めにくい。
起きがちなこと:場面別に見る、書面がないことで生じるずれ
最後に、申請支援の契約で現実に起きやすいことを、場面ごとにまとめます。多くは、契約書に一言あれば避けられたものです。
起きがちなことと、契約でしておく手当て
見積書だけで着手した
金額と作業名しか書面になく、範囲の追加や修正の回数、不採択の扱いが決まっていない。結果が出たあとに、お互いの理解が食い違う。
手当て見積書とは別に、契約書または確認書を作る。少なくとも、範囲、報酬の発生時点、不採択の扱いは文書で残す。
「支援」の範囲が広がった
最初は助言だけの約束が、書類の下書き、入力、補正対応へと広がり、報酬の追加が話し合われないまま進む。
手当て行為ごとに誰が行うか、追加の手続(書面またはメール)を決めておく。
採択されたのに請求できない
成功報酬の条件が曖昧で、採択の通知で請求したいが、申請者は交付決定や入金を待つと考えていた。
手当て採択、交付決定、額の確定、入金のどれが発生時点かを定義語で固定する。
制度が変わった、公募が中止された
支援者の責めに帰さない事情で申請ができなくなり、着手金の扱いで揉める。
手当て支援者の責めに帰さない事由と、そのときの精算の方法を書く。
資料の預かりが曖昧
決算書や従業員の情報が、いつまで誰の手元にあるのか分からない。
手当て預かる資料の一覧、守秘の期間、返却・廃棄の方法を決める。
この全体像のページを読んだあとの点検
- 3者(申請者・支援者・事務局)のうち、誰が契約の当事者で、誰が外にいるのかを説明できる。
- 契約の型(準委任か、請負か、混合か)を決め、条文ごとにどの性質を前提にしているかが分かる。
- 対象制度を名称・公募回・事務局で特定し、雇用関係の助成金などの対象外を書いた。
- 範囲、報酬、不採択、返還、非保証、守秘、解約の7つの条項が揃っている。
- 報酬が発生する時点(採択、交付決定、額の確定、入金)が一つに決まっている。
- 紹介、外注、預かりなど、周辺の契約との関係を整理した。
よくあるご質問
補助金の申請支援を頼むとき、契約書は必ず必要ですか。
法律上、書面が成立の要件になっているわけではありません。民法の委任や請負は、合意があれば成立します。ただし、書面がなければ、範囲、報酬の発生時点、不採択の扱いなどが後から争いになりやすく、合意の内容を証明する手段も限られます。見積書や申込書があっても、それだけでは足りない項目が多いため、少なくとも契約書、または確認書のかたちで残しておくことが勧められます。
「委任」と「準委任」は、何が違うのですか。
委任は法律行為を委託する契約(民法643条)、準委任は法律行為でない事務を委託する契約で、委任の規定が準用されます(民法656条)。申請書類の整理やヒアリングなどの事務は、通常は準委任です。実務では、両者を区別せず「委任契約」と呼ぶことも多く、報酬や善良な管理者の注意義務など、適用される規定はほぼ共通です。契約書には、事務の委託であることが分かる書き方をしておけば足ります。
成功報酬を付けると、請負になりますか。
成功報酬を付けただけで、請負になるわけではありません。請負は、仕事の完成を約束する契約です。事務の遂行を約束し、その成果に応じて報酬を払う設計は、成果報酬型の委任(民法648条の2)として整理できます。ただし、どの事実が「成果」なのか、それが決まる時点はいつかを契約で定義しないと、報酬の請求をめぐって争いになりやすくなります。
補助金と助成金で、契約書の書き方は変わりますか。
名称が違っても、契約書で決める事項は大きく変わりません。ただし、助成金には雇用や社会保険の手続を伴うものがあり、その手続の申請書の作成や提出の代行は、社会保険労務士法で業務が制限されている場合があります。このガイドは、そうした制度を対象外としています。契約書でも、対象制度を特定し、対象外のものを明記するのが安全です。
地方自治体の補助金でも、このガイドの考え方は使えますか。
3者関係、契約の型、報酬や責任の定め方といった契約の考え方は、国の制度でも自治体の制度でも共通して使えます。違いが出るのは、交付の決定、額の確定、返還などの手続の根拠です。国の補助金は補助金適正化法が基本を定めますが、自治体の補助金は各団体の補助金交付規則や要綱によるのが通常です。契約書の別紙に、根拠となる規則や要綱を書いておきます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、契約の内容や制度の公募要領・交付要綱によって異なることがあります。このサイトは補助金・助成金の支援契約の書き方を扱い、個別の制度の要件や申請の手順は扱いません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 総務省 / 公正取引委員会 / 個人情報保護委員会