事業計画書の著作権と使い回し、外部専門家への再委託

作ってもらった計画書を別の申請に使ってよいのか。支援の一部を外部の人に任せてよいのか。権利と再委託の二つを、利用の範囲を軸に整理します。

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お金を払って書いてもらった文章でも、契約に定めがなければ著作権は書いた側に残るのが原則です。「誰のものか」より先に「どこまで使えるか」を書きます。

このページの要点

  • 計画書のうち保護されるのは創作的な表現で、事実・数値・アイデアそのものは対象にならないことが多い。外部の支援者が書いた文章の著作権は、契約がなければ支援者に帰属する(著作権法2条・17条)。
  • 帰属型は翻案権等(27条・28条)の特掲と著作者人格権の不行使、許諾型は利用の方法と条件(63条)を書く。再申請・別制度・第三者提供を区別する。
  • 支援者の雛形・テンプレート・ノウハウは留保し、最終の成果物を別紙で特定する。秘密情報を含む部分は留保の対象外とする。
  • 再委託は申請者の許諾が出発点(民法644条の2)。同等の義務と責任を書き、外注先が個人なら書面の明示と支払期日(フリーランス法3条・4条)を確認する。

結論:計画書の「権利」より先に、「使ってよい範囲」を書く。再委託は、許諾と書面の明示とセットで決める

事業計画書は、補助金の申請書類のなかでも、文章が最も長く、作るのに手間のかかる書類です。支援者は、申請者から聞き取った事業の内容をもとに、構成を考え、文章を書き、数値を整えます。完成した計画書について、「誰が著作権を持つのか」「別の公募に使い回してよいのか」「支援者が雛形として他の案件で使ってよいのか」を、契約書に書いていない取引は少なくありません。

先に結論を並べます。第一に、権利の帰属(誰のものか)と、利用の許諾(どこまで使えるか)は、別の軸です。帰属を決めても、使える範囲が決まらなければ、実際の場面で迷います。第二に、計画書の内容のうち、申請者の事業の事実、数値、アイデアそのものは、著作権で保護されるとは限りません。保護されるのは、創作的な表現です。ここを見誤ると、「うちのものだ」「いや、こちらのものだ」という議論が空回りします。第三に、支援者が持つ雛形やテンプレート、ノウハウは、支援者に留保する旨を書いておきます。第四に、支援の一部を外部の専門家やフリーランスに任せるときは、民法上の復受任の許諾、秘密保持の同等の義務、そして外注先との間の書面の明示と支払期日(フリーランス法など)を、あわせて整えます。

このページは、事業計画書をめぐる権利と、支援の一部を外部に任せる契約に絞ります。守秘と個人情報の条項は預かる資料と守秘のページで、業務範囲の別紙の作り方は業務範囲の書き方のページで扱っています。

事業計画書の著作権:何が保護され、誰が著作者になるのか

著作権法で保護される「著作物」は、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものです(著作権法2条1項1号)。事業計画書でいえば、事業の概要、市場の分析、課題と解決の方針といった文章の表現に、創作性が認められる場合があります。他方、売上の数値、設備の仕様、補助金の要件といった事実そのものや、事業のアイデアそのものは、表現ではないので、著作権の対象にならないことが多いと考えられます。計画書の全体が著作物かどうかは、個別の文章の表現ごとに判断され、一律には決まりません。

著作者は、著作物を創作する者であり、著作者は、著作者人格権と、複製権(21条)や翻案権(27条)などの著作権を享有します(17条)。これらの享有には、登録などの方式は要りません(17条2項)。会社の従業員が職務上作成した文書は、会社の名義で公表されるなどの要件を満たせば、会社が著作者になります(職務著作。15条)が、外部の支援者に依頼して書いてもらった文章は、支援者が従業員ではないので、この規定の対象になりません。つまり、特に契約で決めない限り、支援者が書いた文章の著作権は、第一次的には支援者に帰属します。申請者としては、「お金を払って作ってもらったのだから自分のものだ」と考えるのが自然ですが、法律上はそう当然ではありません。

生成AIを使って下書きを作った場合は、さらに複雑です。AIが出力した文章に著作物性が認められるかは、人間の創作的な寄与の有無や程度などの個別の事情で判断が分かれうるとされています。契約の書き方としては、権利の有無に結論を依存させず、「成果物について、申請者が使ってよい範囲」を、権利の有無とは別に書いておくのが安全です。

帰属型と許諾型:どちらの組み立てを選ぶか

事業計画書の権利を契約で整理する方法は、大きく二つに分かれます。一つは、成果物の著作権を、支援者から申請者に譲渡する型(帰属型)です。もう一つは、著作権は支援者が持ち続け、申請者に一定の範囲での利用を許諾する型(許諾型)です。それぞれに、向き不向きがあります。

帰属型と許諾型の比較

比べる点帰属型(申請者へ譲渡)許諾型(支援者が保持し、利用を許諾)
申請者の自由度改変、再申請、別の制度への流用が自由にできる許諾の範囲内でしか使えない。範囲を超えると追加の許諾が要る
支援者の負担同じ文章を他の案件で使えなくなる。ノウハウの切り分けが必要文章の再利用が可能。ただし、申請者の秘密情報は使えない
報酬との関係譲渡の対価が報酬に含まれる旨を書く利用許諾の範囲を報酬の範囲として書く
書き方の要点翻案権等(27条・28条)を譲渡の対象として明記する(61条2項)。著作者人格権は譲渡できないので、不行使の約束を添える(59条)利用の方法と条件を具体的に書く(63条)。利用権は著作権者の承諾なしに譲渡できない(63条3項)
向く場面申請者が計画書を継続して事業で使い、改変もする場合支援者が雛形として積み重ねたものを使い、申請者に使わせる場合

帰属型を選ぶときに、特に注意したいのが翻案権等の扱いです。著作権を譲渡する契約において、翻案権(27条)や二次的著作物の利用に関する権利(28条)が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡した者に留保されたものと推定されます(61条2項)。譲渡の対象を「著作権一切」とだけ書いても、改変や再利用を予定する場面では、この推定が働くおそれがあります。実務では、「著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む」と書き添えるのが通例です。また、著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権。18条から20条)は、著作者の一身に専属し、譲渡できません(59条)。そこで、譲り受けた側は、「著作者人格権を行使しない」旨の約束を求めるのが通例です。

使用許諾の範囲:申請目的、再申請、別制度への流用、第三者への提供

どちらの型を選ぶにしても、実際に問題になるのは、「どこまで使ってよいか」です。次の四つの使い方は、契約で区別しておくと、後の争いを防げます。

  • 当初の申請のために使うこと:提出と、事務局の審査のために必要な複製や提供は、もちろん含まれる。
  • 再申請(同じ制度の次回公募など)に使うこと:不採択のあとの再申請に使えるか。使える場合の改変の程度、追加の報酬の要否。
  • 別の制度への流用:別の補助金や融資、認定の申請に使うことを認めるか。認める場合の範囲と条件。
  • 第三者への提供:金融機関、取引先、別の支援者への提供を認めるか。社内での利用に限るか。

第○条成果物の利用

  1. 甲は、本件事業計画書(以下「本成果物」という。)を、本件補助金等の申請および交付後の報告の目的のために、複製し、事務局または所管官庁に提出することができる。
  2. 甲は、前項の目的のほか、本件補助金等の同一の制度への再度の申請のために、本成果物を改変して利用することができる。ただし、乙の氏名または名称を付して公表してはならない。
  3. 甲は、別の制度の申請、第三者への提供その他前二項以外の目的で本成果物を利用しようとするときは、あらかじめ乙の書面または電磁的方法による承諾を得る。
  4. 本成果物の著作権は、乙に留保される。ただし、乙は、甲の秘密情報を含む部分を、他の目的に利用しない。

許諾型の条文の骨組みの一般的な例です。帰属型にするときは、第4項を「著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む。)は、報酬の全額の支払を受けた時に甲に移転する」の形に置き換え、著作者人格権の不行使を加えます。

確認の問い利用の範囲を決める前の問い

  1. 計画書を、次回公募の再申請に使うことを想定しているか

    想定するなら、再申請の改変と追加報酬の有無を、あらかじめ決めておく必要がある。

  2. 計画書を、金融機関や取引先に提出する予定があるか

    予定があるなら、第三者提供の許諾を契約に入れる。後から追加で許諾を求めると、報酬の交渉になりうる。

  3. 支援者は、同じ構成や文章を他の案件で使うつもりがあるか

    使うなら、申請者の秘密情報や固有の事実を除く範囲を決める。

  4. 報酬の全額が支払われるまで、権利や利用はどうなるか

    譲渡の効力を全額支払の時にする、許諾を支払にかからせるなど、時期を明確にする。

雛形・テンプレート・ノウハウの留保と、共同で事業を進める形のとき

支援者は、多くの案件に共通して使う雛形、チェックリスト、文章の構成の型、業務の手順、AIの使い方のノウハウを、自分の資産として蓄積しています。契約書に「作成した一切の成果物の権利は申請者に帰属する」と書いてしまうと、これらの資産まで、申請者に移ったと読まれるおそれがあります。支援者の側は、「既存の雛形・ノウハウ・手法、および業務の過程で蓄積される汎用的な知見は支援者に留保する。申請者に帰属するのは、申請者のために個別に作成した最終の成果物に限る」という趣旨の留保を書いておくのが一般的です。

申請者の側から見れば、留保される範囲が広すぎないか、自社の秘密情報が「汎用的な知見」の名目で他の案件に使われないか、が気がかりです。留保の条項と、前のページで見た秘密保持の条項との優先関係(秘密情報を含む部分は、留保の対象外とする)を、あわせて書いておきます。

事業を共同で進める形、たとえば、支援者と申請者(または複数の事業者)が、役割を分けて一つの事業を推進する契約では、成果物とノウハウを誰が持つかが、さらに重要になります。共同で作成した成果物は、共有となることがあり、共有の著作権は、他の共有者の同意なく自由には行使できないことがあります。そのため、共同の成果物については、持ち分、利用の方法、改変の可否、第三者への許諾の手続を、契約で決めておきます。「作成と同時に一方に帰属する」とだけ書く契約は、他方が事業を続けにくくなる点で、事業の実態と合っているかの確認が必要です。

書き方の例(一般的な例) 留保と帰属の書き方

成果物の範囲

よくある書き方本業務の遂行過程で得られた一切の成果の権利は、甲に帰属する。
整えた書き方甲のために個別に作成した最終の成果物(別紙に列挙)の権利は甲に帰属する。ただし、乙が従前から有する、または汎用的に使用する雛形、手法、知見は、乙に留保される。

理由最終の成果物を別紙で特定し、留保される資産と区別する。

秘密情報との優先関係

よくある書き方汎用的な知見は、乙が自由に利用できる。
整えた書き方乙が自由に利用できる知見には、甲の秘密情報および個人情報を含まない。

理由留保の名目で秘密情報が流用されないようにする。

共同の成果物

よくある書き方共同で作成した成果物は、共有とする。
整えた書き方共同で作成した成果物は、各当事者が○割の持分で共有し、利用の方法、改変、第三者への許諾の手続は、別紙に定める。

理由共有の場合の行使の手続を決めておく。

再委託・復受任:許諾、同等の義務、責任の所在

支援の一部を、外部の専門家やフリーランスに任せる事業者は少なくありません。たとえば、資料の整理、図表の作成、文章の校正、翻訳、専門分野の記述などです。ここで契約書の側が問題にするのは、申請者との契約(元の契約)と、外注先との契約(再委託の契約)の二つです。

民法には、受任者による復受任者の選任の規定があります。受任者は、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができません(民法644条の2第1項)。補助金の申請支援を委任(準委任)として組み立てている契約では、この規定が出発点になります。つまり、特に定めがなければ、支援者は、申請者の許諾なしに、業務の一部を第三者に任せることはできません。契約書で、「事前の書面または電磁的方法による承諾を得たときに限り再委託できる」「承諾があっても、支援者は再委託先の行為について責任を負う」「再委託先に同等の秘密保持の義務を課す」と書くのが一般的です。逆に、再委託を広く認める契約もあります。そのときは、再委託先の氏名または名称の通知、再委託できる業務の範囲、再委託先の変更の手続を決めておきます。

資料に個人情報が含まれる場合は、再委託の連鎖は、個人情報保護法25条の委託先の監督の問題に広がります。申請者から見れば、資料がどこまで渡るのかの把握が必要で、支援者の側は、再委託先の監督と、再委託先の事故の責任を負う前提になります。この点は、前のページの預かる資料と守秘と合わせて読んでください。再委託先の誤りで申請者に損害が生じたときの責任の上限や、支援者自身の誤りの扱いは、非保証と責任の上限のページで整理しています。

第○条再委託

  1. 乙は、本業務の全部または一部を第三者に再委託しようとするときは、あらかじめ、再委託先の名称または氏名、再委託する業務の範囲を甲に通知し、甲の書面または電磁的方法による承諾を得なければならない。
  2. 乙は、再委託先に対し、本契約に基づき乙が負う義務(秘密保持、個人情報の取扱い、成果物の権利に関する義務を含む。)と同等の義務を課し、再委託先の行為について、自らの行為として責任を負う。
  3. 乙は、再委託先が前項の義務に違反したときは、直ちに甲に通知し、必要な措置をとる。

一般的な条文の骨組みの例です。承諾の方法、通知の事項、再委託できない業務の範囲は、取引の実態に合わせて決めます。

外注先との書面の明示と支払期日:フリーランス法、取適法の適用の確認

支援者が外注先と契約を結ぶとき、外注先が個人のフリーランスや一人の法人であれば、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)の対象になりえます。この法律では、事業者がその事業のために他の事業者に、情報成果物の作成や役務の提供を委託することを「業務委託」といい(2条3項)、業務委託をした事業者は、直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法により明示しなければなりません(3条1項)。

報酬の支払期日は、給付を受領した日(役務の提供の場合は、役務の提供を受けた日)から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければならないとされています(4条1項。従業員を使用する個人や、複数の役員のいる法人などの特定業務委託事業者の場合)。元請から再委託を受けた形で、元の委託者の名称と支払期日などを明示した場合には、元の支払期日から30日以内の特則もあります(同条3項)。さらに、一定の期間以上の業務委託については、受領拒否、報酬の減額、不当なやり直しなどの禁止があります(5条)。この期間は政令で定められており、実際の適用は条文と政令で確認が必要です。

外注の場面では、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(中小受託取引適正化法、略して取適法)も問題になりえます。委託事業者の定義には、資本金の額または常時使用する従業員の数による区分があり、情報成果物作成委託と役務提供委託については、政令で定める情報成果物・役務に当たるかどうかによっても区分が分かれます(取適法2条8項)。委託事業者には、給付の内容、代金の額、支払期日などの明示(4条)、受領拒否や代金の減額などの禁止(5条)、遅延利息の支払(6条)が定められています。自社の外注が取適法の対象になるかは、双方の事業者の区分と、委託する内容によって変わるため、条文、政令、公正取引委員会の資料での確認が必要です。フリーランス法と取適法のどちらが適用されるか、あるいは両方か、どちらも適用されないかは、外注先の属性と取引の内容で決まり、この点の整理は、外注の都度確認する項目です。

外注先との契約で確認する項目(一般的な整理)

項目確認すること契約書に入れること
外注先の属性個人か、法人か。従業員がいるか属性を確認した記録。適用法令の確認
書面の明示給付の内容、報酬の額、支払期日、支払方法などを示したか発注書または契約書に、これらを記載する。電磁的方法でもよい
支払期日給付の受領日から起算した期間内に設定しているか支払期日を特定の日で書く。「元請から入金後」とだけ書かない
成果物の権利外注先が作った文章の著作権は、外注先に帰属する(外注先が従業員でないため)譲渡または許諾の方法、翻案権等の特掲、著作者人格権の不行使
秘密保持・個人情報外注先に渡す資料の範囲元の契約の秘密保持と同等の義務、返却・廃棄、事故の連絡
やり直し・変更受領後のやり直しや内容の変更を求めることがあるか費用の負担、追加報酬の要否を書く

再委託の契約を整えるときは、元の契約との「背中合わせ」を意識すると漏れが減ります。元の契約で申請者に約束した事項は、外注先との契約でも守られる仕組みにしておかないと、外注先の落ち度が支援者の責任として跳ね返ります。具体的には、①秘密保持と個人情報の取扱いの水準、②成果物の権利(外注先から支援者への譲渡または許諾の範囲を、支援者が申請者に約束した利用の範囲以上にしておく)、③納期(申請の締切から逆算して、外注先の納期を前倒しにする)、④責任の範囲(外注先の誤りによる損害を、支援者が負担したときの求償の定め)の四点です。特に②は、外注先から許諾を受けた範囲が申請者への許諾の範囲より狭いと、支援者が板挟みになります。

外注先への報酬の支払い方にも工夫があります。成功報酬型の元の契約で、結果が出るまで支援者に入金がない場合でも、外注先への報酬は、納品の確認から一定の期間内に支払う設計にしておくのが適法性の面でも安全です。結果に連動した報酬を外注先にも支払う場合は、その算定の方法と、結果の確認の資料を、外注先にも示しておきます。条件が複雑になるほど、書面の明示の内容も具体的になり、明示のない条件は後から主張しにくくなります。

起きがちなこと

著作権・再委託をめぐる場面別の食い違い

次回公募で、同じ計画書を使えるかで揉める

不採択後、申請者が前回の計画書を改変して再申請しようとし、支援者が「追加の報酬が必要」と主張する。

手当て再申請での利用と改変の可否、追加報酬の有無を、利用の範囲の条項に入れる。

譲渡したはずなのに、改変が自由にできない

「著作権を譲渡する」とだけ書き、翻案権等の特掲がなく、申請者が改変したところ、支援者が異議を述べる。

手当て譲渡の対象として、著作権法27条・28条に規定する権利を含むと明記し、著作者人格権の不行使を添える。

雛形が申請者に移ったと言われる

「作成した一切の成果物は甲に帰属」とあるため、支援者の雛形や手法まで申請者のものになったと読まれる。

手当て最終の成果物を別紙で特定し、既存の雛形・手法・知見は支援者に留保する旨を書く。

再委託先から、資料が外に出てしまう

支援者が外部の専門家に資料を渡し、その専門家の端末から漏えいする。

手当て再委託の承諾の手続、同等の義務、再委託先の行為への責任、事故の連絡を書く。

外注先への支払が、元請の入金待ちになる

外注先への報酬を「申請者からの入金後」と定めたため、支払期日が長引き、外注先から苦情が出る。

手当て外注先の属性を確認し、適用法令に沿った支払期日を、特定の日で定める。

権利と再委託の問題は、書面がないか、あっても曖昧なときに、使い方が変わった段階で表面化します。事前に使い方を想定して書いておくことが、有力な備えです。

著作権・再委託の条項の点検

  • 成果物(最終の納品物)を別紙で特定している
  • 帰属型か許諾型かを選び、翻案権等の特掲または利用方法・条件を書いている
  • 利用の範囲(申請目的、再申請、別制度、第三者提供)を区別している
  • 雛形・テンプレート・ノウハウの留保と、秘密情報との優先関係を書いている
  • 再委託の承諾の手続、同等の義務、再委託先の行為への責任を書いている
  • 外注先の属性を確認し、書面の明示と支払期日を、適用法令に沿って定めている
  • 生成AIを使う場合の入力の範囲と、成果物の利用の範囲を、権利の有無と切り離して書いている

よくあるご質問

お金を払って事業計画書を作ってもらえば、著作権は自動的に申請者のものになりますか?

ならない場合があります。外部の支援者が書いた文章の著作権は、契約で別に定めない限り、第一次的には著作者である支援者に帰属します(著作権法17条)。申請者が自由に使うためには、著作権を譲渡する契約か、利用の範囲を定める許諾の契約が必要です。譲渡する場合は、翻案権等(27条・28条)を特掲しないと留保されたものと推定されます(61条2項)。

作ってもらった計画書を、次回公募の再申請に使ってよいですか?

契約で再申請への利用を認めているか、著作権が申請者に譲渡されているかによります。許諾型の契約で、利用の範囲が申請目的に限られていれば、再申請に使うには追加の許諾が必要になる場合があります。契約書に、再申請での利用と改変の可否、追加の報酬の有無を書いておくと、争いを避けやすくなります。

支援の一部をフリーランスに任せるとき、申請者の承諾は必要ですか?

委任(準委任)の形で支援を受けている場合、受任者は、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任できません(民法644条の2第1項)。契約書で再委託の条件が別に定められていれば、その定めに従います。承諾の方法、再委託先への同等の義務、再委託先の行為への責任を書いておきます。

フリーランスに文章の作成を外注するとき、書面は必要ですか?

外注先が特定受託事業者(従業員を使用しない個人や一人の法人)にあたる場合、フリーランス法により、給付の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法で明示することが、発注する事業者に求められます(3条1項。発注者に従業員がいるかどうかは問いません)。支払期日は、従業員を使用する発注者(特定業務委託事業者)について、給付を受領した日から60日の期間内で、できる限り短く定める必要があります(4条1項)。外注先の属性と発注者の区分で適用が変わるため、条文での確認が必要です。

生成AIで作った下書きの権利は、誰のものですか?

生成AIの出力に著作物性が認められるかは、人間の創作的な寄与の有無や程度などの個別の事情で判断が分かれうるとされています。そのため、契約では、権利の有無にかかわらず、成果物を申請者が使ってよい範囲と、支援者が再利用してよい範囲を、別に書いておく方法が採られています。入力する情報の範囲は、預かる資料の条項で決めます。

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