補助金申請支援の報酬の決め方:四つの型と、後払いの補助金との時間差

着手金を取るか、成功報酬だけにするか。型を選ぶだけでは契約書は完成しません。民法の原則を踏まえ、着手金の性質、成功報酬の算定基礎、消費税の扱い、請求の起点、支払期日、遅延損害金、最低報酬と上限、途中で終わったときの精算までを、補助金の後払いという特徴に合わせて設計します。

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着手金の性質が書かれていないと、不採択になった日に、返してほしい側と、事務の対価だと考える側が、同じ条文を別の意味で読むことになります。

このページの要点

  • 報酬の型は、着手金・固定報酬・成功報酬・月額の四つ。実務では組み合わせが多く、各部分が何の対価かを書き分ける。
  • 受任者は特約がなければ報酬を請求できず(民法648条1項)、請求は履行後が原則。着手金は例外として契約で定め、返還の有無を書く。
  • 成功報酬は、算定基礎(決定額・確定額・補助対象経費)と消費税を含むかどうかを定義し、請求の起点となる事実と確認の方法を書く。
  • 請求書、支払期日、遅延損害金、最低報酬と上限、中途終了の精算(民法648条3項)まで、報酬条項にまとめる。

結論:報酬は「型」を選び、請求の時期と算定の基礎を条文で固定する

補助金の申請支援の報酬には、いくつかの典型的な型があります。着手金を受け取る型、固定の報酬を決める型、成功報酬にする型、月額で継続的に受け取る型です。実務では、これらを組み合わせた設計が多く見られます。どの型を選ぶかは、申請者の資金繰り、支援者の負担、結果の不確実性をどう分け合うかという、取引の設計の問題です。

ただし、型を選ぶだけでは契約書として足りません。民法の原則は、受任者は特約がなければ報酬を請求できない(民法648条1項)というもので、報酬が発生するには、まず「報酬を支払う」という約束が必要です。そして、その約束には、いつ、何を基準に、いくらを、いつまでに払うのかが含まれていなければ、請求の場面で争いになります。補助金には、採択から入金まで時間がかかり、後払いが多いという特徴もあります。報酬の設計は、この時間差を踏まえて行う必要があります。

  • 型は四つ:着手金、固定報酬、成功報酬、月額。それぞれ、支援者と申請者の負担の分け方が違います。
  • 着手金は、返すのか、成功報酬に充当するのか、返さないのかを、性質とあわせて書きます。性質が書かれていないと、不採択のときに争いになります。
  • 成功報酬の算定基礎は、「交付決定額」「補助対象経費」「上限額」のどれを基準にするのかを定義します。消費税を含むかどうかも明記します。
  • 成功報酬を一定の期間に分けて請求する型もあります。その場合、途中で契約が終わったときの扱いを決めておきます。
  • 請求書の発行、支払期日、遅延損害金、最低報酬と上限を、報酬の条項にまとめて書きます。

このページは、報酬の「型の選び方」と「請求・支払の設計」に絞ります。成功報酬がいつ発生するのかという時点の問題は成功報酬の発生時点のページ、不採択のときの精算は不採択のページで説明します。

四つの型:長所と短所を並べる

報酬の四つの型の比較(一般的な整理)

型内容申請者にとっての長所申請者にとっての短所支援者にとっての留意点
着手金契約時または着手時に、一定額を受け取る支援者が動きやすい。成功報酬を低く抑えやすい不採択でも支払った額が戻らない可能性がある返還の有無と充当の仕方を決めないと、不採択時に争いになる
固定報酬業務の対価として、結果にかかわらず一定額を受け取る総額が見通しやすい。結果に左右されない不採択でも全額を払う。報酬と成果が結びつかない業務範囲が曖昧だと、追加作業の負担が支援者に偏る
成功報酬採択や交付決定など、成果が出たときに受け取る成果が出なければ負担が小さい成果が出たときの負担が大きい。算定の基準で争いになりやすい成果が出ない場合の作業負担を自分で負う。発生時点と算定基礎を定義しておく
月額期間を定めて、継続的に受け取る継続的な支援を受けられる。支払が平準化される成果が出ない期間も支払が続く期間の途中での終了と、期間による報酬の扱い(民法648条2項ただし書)を決める

実務では、単独の型よりも組み合わせが多く見られます。たとえば、基本料金と成功報酬を併用する型(基本料金は事務の対価、成功報酬は成果への上乗せ)、着手金と成功報酬を併用する型(着手金は成功報酬に充当)、月額の継続支援に、採択時の成功報酬を加える型などです。組み合わせるときの注意は、各部分がそれぞれ何の対価なのかを書くことです。「基本料金は申請までの事務の対価であり、採択の結果にかかわらず返還しない」「成功報酬は交付決定に対する報酬であり、基本料金とは別に発生する」と、対価の性質を分けて書くと、後の精算が整理しやすくなります。

報酬の型を選ぶ際は、申請者の資金繰りも考慮に入れます。補助金は、採択されても、事業を実施し、実績を報告し、額が確定したあとに、後払いで支払われる制度が多く見られます(制度によって異なり、概算払や前払を認めるものもあります)。申請者は、支援者への報酬を支払う時点で、補助金がまだ入っていない場合が少なくありません。この時間差については、後で別に整理します。

民法の原則と着手金の性質:特約がなければ報酬は請求できない

委任契約と準委任契約の報酬について、民法648条は三つのことを定めています。1項は、受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができないこと。2項は、受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ請求できないこと(ただし、期間によって報酬を定めたときは、624条2項を準用し、その期間を経過した後に請求できます)。3項は、委任者の責めに帰することができない事由によって履行ができなくなったとき、または委任が履行の中途で終了したときは、すでにした履行の割合に応じて報酬を請求できることです。

この三つの規定から、申請支援の報酬について次のことが言えます。第一に、報酬の約束がなければ、事務を行っても報酬は請求できません。「頼まれて作業した」だけでは足りず、報酬を支払う旨の合意が必要です。第二に、報酬は、原則として履行の後に請求するものです。着手金のように、履行の前に受け取る報酬は、原則の例外であり、契約で定める必要があります。第三に、途中で終わった場合は、履行の割合に応じた報酬という考え方があります。この割合報酬は、契約で別の定めを置かなければ、この原則に従います。

次に、成果に対する報酬の規定として、民法648条の2があります。委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、成果の引渡しと同時に支払わなければなりません(1項)。申請支援の成功報酬の「成果」は、採択や交付決定という行政側の判断であって、通常は「引渡し」を要するものではありません。そのため、この規定の文言だけでは、請求できる時点が決まりません。契約で、報酬が発生する時点を定義する必要があります。

着手金の性質を決める:返すのか、充当するのか、返さないのか

着手金は、申請支援の契約で最も争いになりやすい項目の一つです。名称が同じ「着手金」でも、契約によって、その性質が違うからです。返還すべきものなのか、成功報酬に充当するものなのか、返還しない対価なのかを、契約書ではっきりさせておかなければなりません。

着手金の性質は、不採択になったときの扱いと一体で決まります。「作業の対価として返還しない」「成功報酬に充当する」「預り金として清算する」の三つの型と、それぞれの条文の書き方は不採択・再申請のページで整理しています。この報酬の設計の場面では、着手金を置くのであれば、請求書の上でも「着手金(何の対価か)」と名目と性質が読み取れる形にしておくことが出発点になります。

着手金を返還しない旨を定める場合、どこまでの定めが有効とされるかも考えておく必要があります。民法90条は、公序良俗に反する法律行為を無効としています。極端に高額な着手金を、実際の作業と無関係に返還しないと定めれば、有効性が問題となりえます。また、返還しないとする着手金が、実質的に債務不履行に対する違約金(民法420条3項で賠償額の予定と推定される)の性質を持つ場合は、その額が過大でないかも問題になりえます。着手金の額は、実際に行う業務の範囲と見合うように設計するのが基本です。

事業者どうしの契約であれば、当事者の合意が尊重されるのが原則です。ただし、合意があれば何でも有効というわけではなく、事案に応じて、公序良俗や信義則の観点から調整されることがあります。このガイドは、報酬条項を作る側にも読む側にも、この考え方を前提にして、無理のない額の設計と、性質の明記を勧めています。

後払いの補助金との時間差:報酬と入金の順序を設計する

補助金は、交付決定がされても、その時点で入金があるとは限りません。制度によっては、事業の実施と実績報告を経て、額が確定したあとに支払われる、いわゆる精算払が基本です。一方、支援者の報酬は、申請の作業が終わった時点、または採択された時点で請求したいというのが自然です。ここに時間差が生じます。

報酬の設計では、この時間差を三つの方向のどれで受け止めるかを先に決めます。申請や採択の段階で請求する方法は、支援者の回収が早い一方で申請者の資金繰りの負担が大きくなります。補助金の入金後に払う方法は、申請者の負担が軽い一方で、支援者は入金まで待つことになります。基本部分は申請の段階で、成功報酬は入金後に払う、あるいは分割して払う組み合わせもあります。補助金の流れの図と、払い時を置ける場所ごとの整理、請求書と支払期日の書き方は支払時期と補助金の入金のページで詳しく扱います。

この節で押さえておくのは、報酬の型と払い時が対になっていることです。着手金型なら払い時は着手時、成功報酬型なら採択・交付決定または入金後、月額型なら各月というように、型ごとに「いつの何に対する対価か」が変わります。契約書には、型ごとの対価の内容と、請求の起点になる事実(通知書の写しの受領、入金の確認など)を結びつけて書きます。

成功報酬の算定基礎:何に対する何割か

成功報酬を設計するとき、金額の決め方には、定額と定率があります。定額は、成功したときに一定額を払う方法で、見通しは立ちますが、補助額が大きい案件と小さい案件で、負担の釣り合いがとれないことがあります。定率は、補助の額に一定の割合を掛ける方法で、案件の規模に応じて報酬が変わります。定率を採る場合は、何に率を掛けるのか、すなわち算定基礎を定義する必要があります。

算定基礎として使われる数字と、定義の注意点

算定基礎意味定義で注意すること
交付決定額交付の決定で示された補助金の額決定後に減額・変更されることがある。決定時点の額か、確定額かを書く
確定額実績報告を経て確定した補助金の額確定まで時間がかかる。成功報酬の請求がそれまで待つことになる
補助対象経費補助の対象となる経費の額補助率や上限があるため、補助金の額とは一致しない。どの額に率を掛けるのかを書く
上限額制度で定められた補助の上限上限に達したときに、成功報酬に別の上限を置くかどうかを決める

「交付決定額(税込)」といった書き方には、注意が必要です。契約書では、成功報酬の算定基礎となる額を、どの時点の、どの範囲の額として扱うのかを定義しなければなりません。契約書の金額の記載は、消費税を含む額かどうかが分かる形にします。報酬の額、算定基礎の額、上限額のそれぞれについて、消費税を含むか含まないかが揃っていないと、請求書の金額をめぐる食い違いが生じます。

第○条成功報酬の算定

  1. 甲は乙に対し、成功報酬として、第○条に定める交付決定額(以下「基準額」という。)に○%を乗じた額(税込)を支払う。
  2. 基準額は、対象制度について、事務局または所管庁から甲に通知された交付の決定の額とし、その後に減額または変更があった場合でも、第○条に定める場合を除き、変更しない。
  3. 前項の額に対する成功報酬は、○円を上限とする。

基準額を決定時点で固定するか、確定額まで追うかは、減額の扱いと表裏の関係にあります。固定するなら、後の減額で報酬を調整するかどうかも一緒に決めます。

成功報酬を、一定の期間に分けて請求する型もあります。たとえば、基準額に基づく成功報酬を、複数回に分けて払う方法です。分割払は、申請者の負担を平準化できる利点がある一方で、分割の途中で契約が終わった場合、残りの部分をどう扱うかを決める必要があります。割合や回数、確認の方法は案件ごとに違うため、ここでは、分割の型がありうること、分割の途中で終了したときの扱い(残額を払うのか、履行の割合で調整するのか)を、契約に書いておく点だけを指摘しておきます。

請求書・支払期日・遅延損害金の書き方

報酬の条項は、金額と算定基礎だけでは完成しません。請求書の発行、支払期日、遅延したときの損害金まで書いて、はじめて請求と支払の手続が回ります。

書き方の例(一般的な例) 請求と支払の書き方

支払期日

よくある書き方報酬は、請求を受けた後、速やかに支払う。
整えた書き方甲は、乙から請求書を受領した日の属する月の末日までに、乙の指定する口座に振込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。

理由「速やかに」では、遅れたかどうかの判断ができない。期日を特定し、振込の方法と手数料の負担も書く。

請求の起点

よくある書き方成功報酬は、補助金が採択されたときに請求できる。
整えた書き方乙は、第○条に定める事実(交付決定の通知)を確認できる資料を甲に示し、甲がこれを確認した後に、請求書を発行する。

理由請求の起点となる事実と、その確認の方法を書くと、請求の前提をめぐる争いを減らせる。

遅延損害金

よくある書き方支払が遅れたときは、遅延損害金を支払う。
整えた書き方甲が支払期日までに支払わないときは、期日の翌日から支払済みまで、未払額に対し年○%の割合による遅延損害金を支払う。

理由率を定めないと、民法の法定利率が基準になる。定める場合は、率と起算日を書く。

遅延損害金については、金銭の給付を目的とする債務の不履行の場合、損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定めるのが原則です(民法419条1項)。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率によります。法定利率は、民法404条により、年3パーセントを出発点としつつ、一定の期間ごとに見直される変動制です。この場合、債権者は損害の証明を要しません(419条2項)。契約で率を定める場合も、事業者どうしであっても、著しく高い率は、公序良俗や信義則の面から問題になりえます。

請求書の書き方も、実務では意味を持ちます。請求書には、請求の根拠となる条項、請求の対象、金額(消費税を含むかどうか)、振込先、支払期日を書きます。成功報酬の請求書であれば、基準額と率、確認した事実(通知書の日付など)を添えると、申請者が内容を確かめやすくなります。報酬の明細に対する異議を申し立てる期間を定めておく方法もあり、その場合は、期間内に異議がなければ承認したものとみなす旨の定めを置く例があります。

最低報酬と上限、途中で終わったときの扱い

定率の成功報酬を採ると、補助額が小さい案件では、支援者の報酬が作業量に見合わなくなることがあります。そこで、成功報酬に最低額を置く設計があります。反対に、補助額が非常に大きい案件では、申請者の負担が過大になることがあり、上限を置く設計があります。どちらも、案件の規模にかかわらず、報酬が極端な水準にならないようにするための調整です。

確認の問い報酬の設計を決めるときに確かめる問い

  1. 着手金や基本料金は、何の対価か。返すのか、返さないのか。

    性質が書かれていないと、不採択のときの精算で争いになりやすい。

  2. 成功報酬の算定基礎は、決定時点の額か、確定額か。

    決定後の減額があったときの報酬に直結する。

  3. 報酬の額は、消費税を含む額か。基準額と上限額も同じ基準か。

    金額の記載の食い違いは、請求書で表面化する。

  4. 報酬は、いつ、どの事実を確認して請求できるか。

    請求の起点と確認の方法が決まっていないと、請求の前提が争われる。

  5. 途中で契約が終わったとき、報酬はどう精算するか。

    民法648条3項の割合報酬を契約で具体化する必要がある。

途中で契約が終了した場合の扱いは、報酬の設計の最後の部分です。委任が履行の中途で終了したときは、すでにした履行の割合に応じて報酬を請求できます(民法648条3項2号)。委任者の責めに帰することができない事由によって履行ができなくなったときも同様です(同項1号)。ただし、この規定は、どの時点の履行を、どれだけの割合と見るのかは定めていません。申請支援の業務は、ヒアリング、構成案、ドラフト、申請など、段階を踏んで進みます。契約書で、段階ごとの履行の割合の目安を書いておくと、中途終了の精算が早く進みます。

この点は、不採択や公募の中止といった、結果が出なかったときの精算とつながっています。詳しくは不採択だったときの契約のページで説明します。

起きがちなこと:報酬の設計の曖昧さから生じるずれ

報酬をめぐって起きがちなことと、契約でしておく手当て

着手金を返すかで揉めた

不採択になった後、申請者は返還を求め、支援者は事務の対価だと主張した。契約書に着手金の性質が書かれていなかった。

手当て着手金の対価の内容、返還しない旨、返還する例外を書く。

成功報酬の基準額が食い違った

成功報酬の率を掛ける額が、決定額なのか、補助対象経費なのかで、双方の計算が違った。

手当て算定基礎を定義し、消費税を含むかどうかを揃えて書く。

入金前に報酬を請求された

申請者は補助金の入金後に払うつもりだったが、支援者は採択の通知で請求した。

手当て請求の起点となる事実と、確認の方法を書く。

分割払の途中で契約が終わった

成功報酬を分割して払う契約が途中で終わり、残額の扱いで争いになった。

手当て分割の途中で終了したときの扱いを決める。

小さな案件で報酬が見合わなかった

補助額が小さく、定率の報酬では作業量に見合わなくなった。

手当て最低報酬を置く。ただし、極端な額を避ける。

報酬条項の点検

  • 採用する型(着手金、固定、成功、月額)と、組み合わせの場合の各部分の対価の性質を書いた。
  • 着手金の返還の有無と、返還する例外を書いた。
  • 成功報酬の算定基礎(決定額、確定額、補助対象経費)と、消費税を含むかどうかを揃えて書いた。
  • 分割請求の型を採る場合、途中で終了したときの扱いを決めた。
  • 請求の起点となる事実、確認の方法、請求書の記載事項、支払期日、遅延損害金を決めた。
  • 最低報酬や上限を置く場合、その理由と額を見直した。
  • 途中で終了したときの履行の割合による精算の方法を決めた。

報酬の発生の時点そのものは成功報酬の発生時点のページ、全体の組み立ては全体像のページとあわせて確認してください。

よくあるご質問

着手金と固定報酬は、どこが違いますか。

呼び方の違いにとどまらず、何の対価かの書き方が違います。民法の原則では、受任者は特約がなければ報酬を請求できず、請求できる場合も履行の後が原則です(648条1項・2項)。着手金は、この原則の例外として、契約で定めて履行の前に受け取るもので、返還の有無と、返還する例外(支援者の責めに帰すべき事由で申請できなかった場合など)を書く必要があります。固定報酬は、業務の対価として結果にかかわらず受け取る額で、どこまでの業務の対価かを範囲の条項と結びつけて書きます。不採択のときの具体的な扱いは、別のページで整理しています。

成功報酬を「交付決定額の○%」とするとき、気をつけることは何ですか。

「交付決定額」を、決定時点の額に固定するのか、実績報告を経た確定額まで追うのかを定義することです。決定後に減額があったときの報酬の調整も、あわせて決めます。消費税を含むかどうかも、基準額と報酬額の双方で揃えて書きます。上限や最低額を置くかどうかも、案件の規模を想定して検討します。

補助金が入金される前に、報酬を払わなければなりませんか。

契約でどう決めるかによります。入金後に払う型にすることも、申請の段階や採択の段階で払う型にすることもできます。重要なのは、支払の時期を事実に結びつけて書く場合、その事実の確認方法も書くことです。申請者の資金繰りと、支援者の回収の確実性のバランスをとって設計します。

遅延損害金の率は、自由に決められますか。

契約で率を定めること自体はできます。定めなければ、民法419条1項により、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率が基準になり、約定利率が法定利率を超えるときは約定利率によります。もっとも、著しく高い率は、公序良俗や信義則の観点から問題になりえます。事業者どうしでも、常識的な範囲で定めることが無難です。

途中で契約を終えたとき、報酬はどうなりますか。

民法648条3項は、委任者の責めに帰することができない事由で履行ができなくなったとき、または委任が履行の中途で終了したときは、すでにした履行の割合に応じて報酬を請求できると定めています。ただし、割合の算定方法は条文に書かれていないため、契約書に段階ごとの目安を書いておくと、精算が早く進みます。

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